読売新聞社グループの現在 2020春
読売新聞社グループの現在
2020年 春のメディアレポート No.5
日本メディアの特徴の一つは、戦後に新聞社が中心となってテレビ局を設立しネットワークを支配する構造である。読売新聞グループがその先駆けとなった。読売新聞グループ本社による直接出資と読売新聞東京本社・讀賣テレビ放送を通じて、日本テレビをキー局とする日本テレビホールディングス(以下、日本テレビHD)を支配している。読売新聞グループ本社は有価証券報告書を発行していない。日本テレビHDが毎年6月に発表している「支配株主に関する事項のお知らせ」により構造の一部を知ることができる。
https://www.ntvhd.co.jp/ir/library/toshokaiji/pdf/20190611.pdf
2012年10月に認定持株会社・日本テレビHDを設立し、全国のテレビネットワークの再編を進めている。
子会社の日本テレビをキー局に、全国30局でNNN(日本ニュースネットワーク)を構成している。そのうち認定持株会社の関係会社は18社あり、連結子会社1社(日本テレビ放送網)と持分法適用関連会社5社を含んでいる。各局への出資は、日本テレビHDと読売新聞グループ本社、讀賣テレビ放送、日本テレビ小鳩文化事業団、読売光と愛の事業団により行われている。グループの議決権合計で、3割を超えるテレビ局は16社ある。それらの局が持つエリア人口は、1億758万人、人口エリアカバー率は85.3%である。日本の5つのテレビネットワーク中で最も高い。読売新聞グループは日本テレビHDを中心に強固な結束を維持している。
NNN加盟社で認定持株会社の非関係会社
該当するテレビ局は12社あり、1960年前後に設立されたラジオ・テレビ兼営の9社やクロス局3社がある。
そのうち8社は親会社の新聞事業と競合する地元新聞社が出資している。
青森放送・東奥日報社、秋田放送・秋田魁新報社、山形放送・山形新聞社、山梨放送・山梨日日新聞社、北日本放送・北日本新聞社、四国放送・徳島新聞社、南海放送・愛媛新聞社、高知放送・高知新聞社、以上の8社。
ネットワークがカバーしていない県
今後の展開はどうか?
本格的な映像配信を可能にする5Gに向けた携帯電話の関係では、2006年2月9日にNTTドコモと業務提携契約を結んでいる。
インターネット放送では、2011年8月にスタートし、2014年4月に買収したHJホールディングスが「Hulu」を運営している。2019年3月末には200万加入を突破したと公表している。