2020年6月期、日本のペイテレビ市場は新型コロナウィルスにより4社とも純減。
日本のペイテレビ市場の前年同四半期比は、ジュピターテレコム4万1千件、NTTドコモ・ひかりTV 2万9千件、スカパー12万3千件、 WOWOW 11万5千件の純減。
ジュピターのインターネット加入は9万6千件の純増。
新型コロナウィルスの影響が大きいが、米国のような「コードカッティング」が胎動しているように感じる。
米国テレビ業界の惨状 2020年第2四半期
米国通信事業者、AT&T(IPTV・衛星・ネット放送)のビデオサービスは、前年同四半期比451万の純減、4月からの3ヶ月で95万件純減。インターネットサービスも前年同四半期比48万の純減、この3ヶ月で10万純減。スカパー!の加入者約300万の1.5倍の加入者がこの1年間で消えた。特に純減しているのは2015年に買収した衛星放送のDirecTVの加入者と思われる。
同じく通信事業者のVerizonのビデオサービスは、前年同四半期比28万の純減、4月からの3ヶ月で8万件の純減。インターネットサービスは前年同四半期比15万の純増をしたがビデオの純減を埋めきれていない。
2000万ビデオ加入者を持つ米国最大のケーブルテレビ事業者、Comcastは前年同四半期比較127.4万の純減、インターネットサービスが162万件純増でバランスをとった。
ケーブルテレビ事業社は着実にインターネットサービス加入者の獲得に成功している。
他方、通信事業者は1984年のAT&T解体により地域会社に分割されたため、全米レベルの光ファイバーの展開が遅れた。また、携帯電話事業間の激しい競合のための投資により地域の光ファイバー化の投資が抑制されたため、インターネットサービスの展開においてCATV事業者に遅れをとった。
昨年秋から開始されたDisney+やApple TV+などの*「バーチャルMVPD」との競合の影響と、新型コロナによる加入者減が既存のMVPDの存在を脅かしている。
*バーチャルMVPDとは?
Virtual Multichannnel Video Programming Distributors
すでにユーザー宅に引かれているインターネット回線を利用してビデオサービスを行うため、アンテナなどの設置費用やセットトップボックスが必要ないので安価にサービスができる。
*MVPDとは?
Multichannnel Video Programming Distributors
旧来のペイテレビサービス。
衛星放送会社は、ユーザー宅にパラボラアンテナとセットトップボックスを設置する工事と装置の費用が必要。IP TV放送会社やCATV会社は光ファイバーや同軸ケーブルの回線を引き、セットトップボックスを設置する工事費と装置の費用が必要となる。そのため、価格競争に弱く、「コードカッティング」が続いている。
2020年3月期、日本のペイテレビ市場はジュピターテレコムを除き、斬減。
スカパー7万8千件、 WOWOW 4万7千件、NTTドコモ・ひかりTVは1万8千件の純減。
ジュピターテレコムのみCATV8万8千件の純増、インターネット加入12万3千件の純増。昨秋、Disney+、Apple+が開始され、大荒れの米国市場の惨状と比較にならない。桁違いの差である。新型コロナウィルスのように日本だけ新サービスの波を避けられるかどうか?そんなわけ無い。
米国2020年第一四半期 (対前年四半期比)
・AT&T (IPTV、衛星、ネット放送)
ビデオサービス △450万加入減
インターネットサービス △41万加入減
・Verizon (IPTV)
ビデオサービス △25万加入減
インターネットサービス +17万加入減
・Comcast (CATV)
ビデオサービス △102万加入減
インターネットサービス +151万加入増
・Charter Com. (CATV)
ビデオサービス △40万加入減
インターネットサービス +145万加入増
放送番組審議会で審議をお願いします。
日本では放送法で放送番組審議会の設置が義務付けられています。
例えばテレビ朝日には8名の委員がいて、年2回審議会(毎月)開催されています。今、ワイドショーなどの演出で意見したい視聴者がたくさんいるようです。委員の皆様におかれては、そこのところを汲み取って審議していただければ幸いです。次回は9月です、黒鉄ヒロシさんたちよろしくお願いします。
*内容にミスがありました。お詫びして訂正します。2020/5/10
「第 26 回 放送番組審議会議事録
2020 年 3 月 25 日
株式会社シーエス・ワンテン
株式会社テレビ朝日
1.開催年月日 2020 年 3 月 19 日 木曜日 午前 10 時 30 分~12 時 00 分
2.開 催 場 所 株式会社テレビ朝日本社 8 階特別会議室
3.委員の出席
委員総数 8 名 出席 8 名 欠席 0 名
出席委員の氏名
委員長 池井 優 (慶応義塾大学 名誉教授)
委 員 石田 則明 (無線システム研究所 代表)
委 員 黒鉄 ヒロシ(漫画家)
委 員 高木 美也子(東京通信大学 人間福祉学部教授)
委 員 戸張 捷 (株式会社ランダムアソシエイツ 代表取締役)
委 員 藤田 興彦 (児童育成協会 理事長)
委 員 元村 直樹 (国立映画アーカイブ 客員研究員)
放送事業者側出席者氏名
株式会社シーエス・ワンテン
代表取締役社長 福田 泉
業務推進本部長 渡辺 慎一
株式会社テレビ朝日
総合編成局総合編成部 部長 榊原 誠志
総合編成局総合編成部 インターネット担当部長
兼インターネット・オブ・テレビジョンセンター 前田 健太郎
総合編成局総合編成部 宇喜多 宏美
総合ビジネス局 CS 事業部 部長 岡本 恵理子
総合ビジネス局 CS 事業部 CS 編成担当部長 谷 俊之
4.議 題
「テレ朝チャンネル 1 ドラマ・バラエティ・アニメ」、
「テレ朝チャンネル 2 ニュース・情報・スポーツ」の番組について
次回は 2020年 9 月に開催予定。」
https://www.tv-asahi.co.jp/ch/proceedings/pdf/20200319_banshin.pdf